街の色 の記事一覧

能登の旅の思い出を辿る

梅の花が美しい季節になりました。

ブログにお越しくださり、
ありがとうございます。
今年初めての投稿になります。
遅ればせながら、
今年もよろしくお願いいたします。

元日に発生した能登半島地震は、
能登地方を中心に甚大な被害を
及ぼしました。

被害に遭われた方々へ、
心よりお見舞い申し上げます。
そして、亡くなられた方々へ、
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

私は、一昨年の秋、
まさにこの度の被災地を旅しており、
そのときの記憶が鮮明によみがえります。

その短い旅の思い出を辿りながら、
私の知り得た能登の素晴らしさを
お伝えできればと思います。


まず、旅の初日は富山市内から出発して、
氷見市のひみ番屋街にて、お昼ご飯に
美味しい漁師飯をいただきました。
富山県内でもこのあたりは
地震の被害が大きかったようです。

その後、石川県に入り、
能登島ガラス美術館にて、
色とりどりの美しいガラス作品を
ゆっくり観賞しました。

高台からは海を見下ろせ、景色も良く
とても爽やかな気持ちになりました。

その日の宿泊地、七尾市の和倉温泉に
到着したのはもう夕方でした。

こちらには、「おもてなし日本一」で
有名な加賀屋さんがあり、
私は泊まれなかったのですが、
ぜひ中の様子を拝見したいと思い、
その玄関を一歩入ったとたん、
着物姿の女性スタッフの方から
「お帰りなさいませ!」とお声がけされ、
何だか恥ずかしいような、でも、ホッとして
まるで宿泊客のようなふりで、
館内やお土産処をゆっくり巡りました。
とても楽しい時間でした。

近くには、大正浪漫を感じる
数寄屋造りの宿、渡月庵もありましたが、
今はすべての旅館が休館されているようです。

さて、翌日は午前中に輪島市の
朝市を訪れました。
朝市通りは、地元の海産物や
輪島塗のお店が軒を連ね、
観光客で賑わっていました。

また、漫画【デビルマン】や
【マジンガーZ】の作者、
永井豪先生の記念館もあり
観覧してみました。

そして、私は長年探し求めていた
上質なお盆を手に入れるべく、
輪島塗会館を訪れてみました。
お店の方が親切丁寧にご対応くださり、
朱色と黒の素敵なお盆が見つかり、
散々迷ったすえに、黒のお盆を購入しました。

縁起の良い絵柄と、直径27cmの
使い勝手の良さに大満足し、
現在我が家で大切に使っています。

その後、海岸線を珠洲市方面へ向かい、
白米千枚田(しろよねせんまいだ)へ。
日本海に迫る傾斜地に作られた
棚田は絶景でした。
毎年秋から春先まで
イルミネーションで美しく
飾られていたようです。

そして、イカの日本三大漁港の一つ、
能登町小木港のイカの駅つくモールへ。
こちらにある巨大イカのモニュメントは、
SNSやメディアに取り上げられたことで、
多大な経済効果をもたらしたそうです。
地震による津波の被害を免れ、
無事だったということです。

カラフルなイカ釣り漁具が
綺麗に飾られ印象的でした。

そして、穴水町の海岸に沿って、
夕景を眺めながら帰路につきました。

その穏やかな海と夕焼けは、まるで
美しい絵画を観ているようでした。

ボラ漁に使われていたという
やぐらのある風景を見ていると
昔にタイムスリップしたような
不思議な気持ちになりました。

このような自然豊かで穏やかな能登の地が、
地震によって壊滅的な被害を受けたこと、
大変残念であり、胸が痛みます。
けれども、同時に能登の方々の、
深い地元愛や誇りを
改めてひしひしと感じる毎日です。

微力ながら、私にできることで、
応援させていただこうと思っています。

今はまだ余震にお気をつけください。
そして、能登の一日も早い復興を
心よりお祈りしております。

旅先で見つけた街の色*金沢・茶屋街

11月とは思えない、汗ばむ陽気が
続きましたが、
一転、また初冬の風が吹き始めました。

ブログにお越しくださり、
ありがとうございます。

今回は、先日のブログの続きで、
旅の最終日に訪れた
金沢の街の秋色をご紹介します。

金沢は、加賀百万石の城下町。
金沢駅の改札口を出ると、
色鮮やかなお召し物の
〈ひゃくまんさん〉が
お出迎えしてくれます。

この日はあいにくのお天気でしたが、
傘をさして歩ける程度の雨だったので、
見どころを欲張らず、
「ひがし茶屋街でお茶をいただく」という
かねてからの私の願いを叶えることにのみ
照準をしぼりました。

雅と粋が出逢う街、金沢

バスで近江町市場まで行き、
活気に満ちた通りを抜けて、
しばらく歩くと、
主計町茶屋街という静かな通りに
差し掛かります。

こちらは、石畳の通りに
昔ながらの料亭や茶屋が立ち並び、
並木の紅葉が美しく、
しっとりとした風情溢れる
素敵な街並みです。

浅野川にかかる橋を渡ると、
やがて、ひがし茶屋街に辿り着きました。

茶色い格子の町屋に添って
さて、どこでお茶をいただこうかと
見渡しながら歩き、
たまたま選んだのは
〈懐華楼〉というお茶屋でした。

暖簾をくぐり、中へ入ると
まず右手には、赤に金色の扇の
煌びやかな装飾が。

正面には艶やかな朱塗りの階段が目を引きます。

しばらく待って、テーブルのある
和室のカフェに通されました。

そして、運ばれてきた
お抹茶と和菓子をゆっくりいただきながら、
金沢での唯一の願いが叶った満足感に
暫しひたっていました。

再び旅の終着点、金沢駅に戻りました。

金沢の街を思う時、
私の心に残る色は
豪華絢爛の金色と、粋な赤、
そして、茶屋街の格子の茶色。
この三色でしょうか。

まだまだ奥の深い金沢は、
またいつか訪れてみたいと思う街なのです。